Malpu Design

ホーム  ›  制作メモ

制作メモ

デザインで工夫したところ、用紙・加工などの制作にまつわるお話です。

清水良洋

飲食のくにではピビムパプが民主主義だ

書名:飲食のくにではピビムパプが民主主義だ
副題:料理と詩のコラボレーション おいしい詩を添えて
編集:韓国詩人協会 クオン
訳者:中村えつこ
料理・レシピ:趙善玉
料理解説:八田靖史
版元:クオン
発行:15年10月30日 第一刷
判型:A5判 横組 並製


写真:佐藤憲一さん
ブックデザイン:佐野+清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色
 用紙:OKミューズガリバーグロスCoC 四六判 Y目 110Kg ハイホワイト
 加工:グロスPP
◎帯
 刷り:特色(DIC PARTⅡ 2633)1色
 用紙:艶消トレーシングペーパー(三菱製紙)四六判 T目 51.5(60g/㎡)
◎表紙
 刷り:特色(DIC153)1色
 用紙:ブンペル 四六判 Y目 175Kg ソイル
◎見返し
 用紙:クラフトペーパーデュプレ ハトロン判 T目 108Kg
◎本文
 刷り:オフセット4色
 用紙:オペラクリームウルトラ A版 T目 46kg


見本頂戴日:15年10月19日

sm1601017_05.jpg

副題に『料理と詩のコラボレーション』とある通り
例えば「母の懐かしい笑顔が浮かぶ」詩にがあって
ハングルと日本語訳が掲載され
そのにまつわる料理の写真と日本語でのレシピという構成です。
詩は韓国の代表的な詩人の作品です。


韓国料理好きの佐野と僕にはウレシ楽しの案件でした。


バラバラとした要素ですが、そこは読み易くキレイにまとめました。
料理本の場合、撮影に立ち会ったりもしますが今回はデザインのみ。
しかしどの料理写真もウマそう!
詩はノスタルジックな印象のものが多いので本文用紙は
クリーム系のものにしましたがこれがバッチリ上手く行きました。


帯は推薦文だけだったので、僕がマーク的なものを作りました。
「心もお腹も ほっこり あたたかくなる」の文も僕作です。
帯の文言に手を加えたり、こちらで文言考える事も結構あるんですよ。


本書、料理本としても、韓国詩の本としても、
韓国語の勉強にもたくさん色々オイシイ1冊。
韓国料理好きの方、韓国文化に関心のある方、
韓国語を学んでいる方に是非是非オススメです。


本書を手掛けた事もありこんなセミナーを聴講して来ました。
感想は別館にもチラっと記してますが「ハングル」奥が深く面白いです。


クオンの社主、金承福さんは実に熱血で魅力的な方。
金さんとの出会いはスタイルノートの池田さんと同じ様に
(池田さんとは版元ドットコムで、金さんとは出版協
出版版元のユニオンで知り合いました。


クオン、以前は月島にありマルプスタッフで表敬訪問し
もんじゃで舌鼓を打った事もあります。


昨年、クオンは神保町に移転し
「韓国の本とちょっとしたカフェ〈チョッコリ〉」をオープンしました。
居心地よく、店内に居るとワクワクして来るブックカフェですよ。


クオンの韓国文化を伝える活動には
これから増々目が離せませんねぇ〜。

清水良洋

結婚相手はどこに落ちてる?

書名:結婚相手はどこに落ちてる?
著者:花津ハナヨ
版元:幻冬舎コミックス
発行:15年9月30日 第一刷
判型:A5判 縦組 並製


イラストレーション:花津ハナヨさん
ブックデザイン:佐野+清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色+特色(DICフランスの伝統色)1色=5色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
 加工:グロスPP
◎帯
 刷り:特色(DICフランスの伝統色F101)1色+スミ=2色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
◎表紙
 刷り:特色(DIC584B)1色
 用紙:カード紙お任せ


見本頂戴日:15年9月18日

sm1601017_02.jpg

コミックエッセイです。実は実話なんです。(笑)
相手を一目見たら体の不具合が分かるとか
事件現場に行くと被害者と同調するとか
そんなサスペンスもどきではないんです(実話ですんで)が
これがハラハラドキドキなんですねぇ〜。


著者が結婚を意識し、迷走を極めた末にシアワせを手にする。
と、ひと言でいえばそうなのですが、コレが面白い!


プロポーズの場面から始まるのですが、その後の迷走の連続に
最後は結婚する、という事を忘れてしまう程に迷走が加速します。


それにしろ、構成の妙ですね。構成が違えばまた違う物語になるし
映画で脚本を練るとよく聞きますが書籍も著者と編集者で
アレコレ喧々諤々と可能性を探って行くんでしょうね。


本書は『デジバーズ』に連載された作品をまとめたもので
連載時のロゴもマルプが担当しました。
そのロゴをそのまま単行本で使う場合もありますが今回は使いませんでした。


著者と編集担当に来社頂き打合せ。
ザクっとしたサムネールをいくつか用意し相談。
迷走時代を猿から直立猿人になり人となる図案になぞらえる案や
冒頭のプロポーズ場面案などいろいろと提案。


本書、ハラハラドキドキで大笑いしたアト、笑ったままに
なんかしみじみとウレシ泣きしたくなちゃうんですよぉ。
友だちの結婚披露宴、人のシアワセな姿にもらい泣きしちゃう感じです。


なので元気でバっと明るいカバーデザインを目指しました。
通常コミックスのカバーでは特色の蛍光ピンクを混ぜて、
人物の絵の発色を上げる事が多いですが
今回は思い切って蛍光ピンクを地に敷きました。


担当編集のIさんとの仕事は愉しいです。
Iさん、いつも面白い依頼を有り難う御座います。

清水良洋

パイプオルガン入門

書名:パイプオルガン入門
副題:見て聴いて触って楽しむガイド
著者:椎名雄一郎
版元:春秋社
発行:15年3月30日 第一刷
判型:A5判 横組 並製


イラストレーション:三村晴子さん
装幀:清水


刷り・用紙:
◎カバー・帯
 刷り:オフセット4色
 用紙:Mr.B 四六判 Y目 110Kg スーパーホワイト
 加工:グロスニス
◎表紙
 刷り:特色(DICフランスの伝統色F67)1色
 用紙:OKフロート 四六判 Y目 170Kg ペールブラウン
◎見返し
 用紙:OKフロート 四六判 Y目 90Kg ぶどう
◎本扉
 刷り用紙:本文共紙共刷り


見本頂戴日:15年4月15日

sm1601017_03.jpg

本書は〈パイプオルガンの仕組み〉〈名曲めぐり〉〈世界のオルガン〉
〈日本のオルガン〉〈名演奏者〉などを
素人の僕でも実にワカり易い筆致で書かれてます。


担当編集のKさんは、僕がフリーランスになった頃から仕事をご一緒している。
Kさん自身もピアノを弾き、音楽に造詣が深い。
Kさんらしい行き届いた音楽本です。


以前こんな話を読んだ事があります。
あるピアニストが海外のレッスンで「響きを作る」と指導されたと。
その空間に〈響きを作る〉という概念に触れ
パっと目の前が開けたという様な事が書いてありました。


「これはデザインやイラストレーションにも通じるな」
「デザインやイラストレーションは〈空間を作る〉もの」だと思いました。
僕は装幀する際に〈三景〉を意識してます
〈遠景〉〈中景〉〈近景〉の〈三景〉です。
と、話が長くなるのでこれはまたとします。


装画・挿画は三村晴子さんにお願いしました。
荘厳な中に温かさや優しさを感じる絵を三村さんに期待しましたが
仕上りはちょっとしたユーモラスな可愛らしさも加えてくれました。


僕は仕事は〈人生の杖〉と思ってますが、本書の仕事でも〈杖〉が
面白い所に連れて行ってくれました。


本書完成後に東京芸術劇場著者のコンサートにお招き頂きました。
生で聴くパイプオルガンの演奏は聴くというより体感でした。
音圧が心地よく、そして他にない響きの空間でした。


実は春秋社は僕が最初に書籍デザインを手掛けた版元です。
僕の師匠、佐橋法龍老師の縁から始まり
今もこうして書籍デザインを営んでいられる次第なのです。


休憩時間には久々に版元のSさんにもご挨拶出来
ロビーで本書を販売してたので声掛けをお手伝いしました。
「椎名先生の書き下ろし最新刊でぇ〜す!
 本書をお求めになられましたら、終演後先生のサイン会がございまぁ〜す」
こういうのは慣れたもんですよ。


実は日本の各所にパイプオルガンが設置されてるんですよ。
ホールの構造の違いから、それぞれに個性が出るんだそうです。
もしパイプオルガンを聴く機会があったら
クラシック音楽に関心が薄いとか思われず、是非足を運んでください。


著者は研究家でもありますが、まずなにより演奏者で、
そして15歳の時にオルガンの美しさに魅せられ
以来その魅力を追い続ける純粋なオルガンファン!
そんな方が書いた本書が面白くないワケがない。


著者があるインタビューの際に
「この本でいちばん好評なのは、この表紙です!」と
力を込めて、笑いを取ったと伺いました。
話のつかみに装幀を話題にして頂きウレシい限りです。

清水良洋

拒絶される恐怖を克服するための100日計画

書名:拒絶される恐怖を克服するための100日計画
著者:ジア・ジアン
訳者:小西敦子
版元:飛鳥新社
発行:15年11月2日 第一刷
判型:四六判 縦組 並製


本文デザイン:佐野
装幀:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:セットインキのイエローとスミの2色
 用紙:OKブリザード 四六判 Y目 86Kg
 加工:グロスPP
◎帯
 刷り:セットインキのイエローとスミの2色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
 加工:グロスPP
◎表紙
 刷り:特色(DIC128)1色
 用紙:ブンペル 四六判 Y目 175Kg ホワイト
◎見返し
 用紙:TS-10 四六判 Y目 100Kg N-7
◎別丁扉
 刷り:セットインキのイエローとスミの2色
 用紙:OKブリザード 四六判 Y目 86Kg


見本頂戴日:15年10月19日

sm1601017_04.jpg

担当編集はIさん。Iさんとはホント何冊で組んだ。Iさんとの仕事はいつも愉しい!


多くの人は「拒絶されるのでは?」という怖れがありますよね。
本書は「見知らぬ人に100ドル借りる」とか
「飛行機の機内で僕にアナウンスさせてもらえますか?」など
無茶というかふざけてるのか!と怒られそうなお願いを100日行ったんです。


これ実は実話なんです。そんなお願いの様子がネットに上がってます。


で、どんなお願い(ホンマかっ!というのばかり)をしたのかは
本書の276と277の見開きページに「100日拒絶計画一覧」が出てます。
もし、書店でこの本と出会ったら、是非ココを見て下さい。
必ず本書を読みたくなります。


本書はお笑いタレントが無茶をする、といった類いではなく
この100日の拒絶される体験を経て、著者が大きく成長する物語です。


読後は気分が軽ろやかになり、勇気が湧いて来ます。
そんな読後の気分を表現したく、でもちょっと複雑な味わいも出したく
色々な白い用紙を使いました。
一見すると只シンプルな白い本ですが、手に取るとそうでもないですよ。
とは言え、手にとらないとワラからぬでは手前勝手になりますんで
本書は著者の〈物語〉でもあるので、
著者の顔をアイコン的にあしらいました。


本文デザインは、いくつかある階層を佐野が
キレイに整理し、見易くシンプルに仕上げました。

ページの先頭へ戻る