Malpu Design

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制作メモ

デザインで工夫したところ、用紙・加工などの制作にまつわるお話です。

清水良洋

内川家。

書名:内川家。
著者:赤澤竜也
版元:飛鳥新社
発行:14年5月18日 第一刷
判型:四六判 縦組 並製


装画:曽根愛さん
書名作り文字:加藤
装幀:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色
 用紙:ミセスBグリーン 四六判 Y目 110Kg
 加工:グロスニス
◎帯
 刷り:オフセット4色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
 加工:グロスPP
◎表紙
 刷り:特色(DIC182)1色
 用紙:クラフトリブロライナー 四六判 Y目 240.5Kg
◎見返し
 用紙:クラフトペーパー デュプレ ハトロン判 T目 108Kg
◎別丁扉
 刷り:特色(DIC165 )1色
 用紙:クラフトペーパー(デュプレ) ハトロン判 T目 108Kg


見本頂戴日:14年5月14日

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ソフトバンクホークスの内川聖一選手の家族とのお話。なのですが
まるで物語の様な父子鷹なエピソード、奥さんとの出会いなど
もちろん選手としての活躍、そして闘病など...。
内川選手の事をよく知らない、野球に関心ないという方でも
読み始めたら面白くて止まりませんよ!


装画は曽根愛さんにお願いしました。
僕の中で曽根さんは〈青春の巨匠〉です。
曽根さんの描く若者は瑞々しく観る者を清々しい気持ちにさせます。
本書を青春のひと事に括るワケではありませんが
〈青春期の輝き〉を曽根さんに描いてもらいました。


イイ絵を使ったら、まるで自分が「デザインが上手くなった」と錯覚しますと、
エントリしましたが、曽根さんとのお仕事もまさにそれです。
過去にも一冊お願いしましたが、この時も自分で
「デザインが上手くなった」と錯覚しました。


書名の作り文字はマルプ加藤。いつも通りにイメージを伝えて
加藤のセンスを加えて仕上げてもらいました。


担当編集のHさん、面白いご依頼を有り難う御座います。

清水良洋

NAVI 新装版

書名:NAVI 新装版
著者:新谷かおる
版元:幻冬舎コミックス
発行:15年8月24日 第一刷
判型:B6判 縦組 並製


ブックデザイン:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色+特色(DIC584B)1色=5色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
 加工:グロスPP
 加工:グロスPP
◎帯
 刷り:プロセス版のYK各1色=2色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
◎表紙
 刷り:特色(DIC621)1色
 用紙:カード紙お任せ
◎本扉
 刷り用紙:本文共紙共刷り


見本頂戴日:15年8月21日

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ウォォォ~!新谷かおる先生のコミックスの依頼2冊目です。
前回依頼頂いた時もウレシかったですが、今回もチョ~ウレシッい。


『ファントム無頼』『エリア88』『ふたり鷹』
『ガッデム』『砂の薔薇』マッチマッチモア!
どの作品も面白いんです!いち読者として熱中して読んでました。

本書はラリーの世界を描いた、全体を通した話の中で、一話完結の連作です。
と、そんな説明はいらんのです。
絵と物語の両輪がガッチリ面白いのが新谷ワールド!
「新谷かおるのラリーコミックス」のひと事でビビっと来る方には充分なのです。


今回は新装版という事で(もちろん親本持ってました)、
装幀用に新たに描き下ろされる絵はないのですが
そこはウデの見せ所!と、思うでしょ~う。


いやいや、イイ絵をデザインレイアウトしてると
なんだか「オレ、デザイン上手くなったんじゃない」と
勘違いしてしまうんですね。絵を活かす様にデザインしていけばイイんですッ。


そしてイイ絵で作業しているとなんともシアワセ~な夢心地へと誘われます。


本文の場面から選んだカットを、カバーや表紙、扉や目次に使ってます。
いや~、それにしてもメカが動いてるんですねぇ~。


僕が高校の頃、バイク雑誌にイラストを投稿したりしてたんですが
もとより画力が無く、いつも「迫力でないなぁ~、バイク止まってるなぁ~」と
ハガキに描いた自分の絵を観てました。


新谷先生の描くメカはそりゃ勢いを表わす線は描かれてますが
変にディフォルメしたりするワケでないんですね。
多分「ココだ!」というアングルで描かれているので
戦闘機でもバイクでもラリーカーでも、
そのメカだからの動きになってるんでしょうね。


同じ500ccのバイクでのモトクロッサーとGP仕様で
それぞれ違う迫力なんですねぇ。


コミックスのカバーはオフセット4色に特色1色の5色刷りの場合が多いです。
で、その特色も蛍光ピンクを使い、人物の肌色の発色を高める場合が多いです。
今回はメカものって事で最初はカバー背景の特色を銀色にしようかと思いましたが
やっぱり人物の肌色もキレイに出したく、蛍光ピンクを使いました。


で、背景は銀っぽい感じにしたのですがバッチリ上手くいきました。
表紙を実際の銀で刷ってるのですが、見比べると
カバーの背景を銀にしてたらチョット跳ねすぎだったカモで
これで正解でした。


カバー、銀っぽい色をただ乗算にしてるんじゃないんですよ。
銀っぽい色の濃さを車体部分やその他で調整して
奥行き感を出してるんです。


めずらしく、本文の付き物も僕が担当してます。
本扉と見開きもくじにカウンターをかましている車体を
割って配置しました。う~ん我ながらカッコイイなぁ。
巻末の広告頁も作成。ファン冥利に尽きる仕事でした。


装幀案では最近のコミックス的なカッコイイ案もあったのですが
僕みたいなオジさんに「オッ!新谷かおるのコミックスだ」と
伝わり易く、手に取り易い案が採用になりました。
(前回もそういうコンセプトでした)。

担当編集のIさん、今回も僕好みの依頼を有り難う御座います!


新谷先生原作、作画が奥様の佐伯かよの先生の
QUO VADIS』がバーズで絶賛連載中!
新谷ファンならこちらもDon't miss it.

清水良洋

アラブからのメッセージ

書名:アラブからのメッセージ
副題:私がUAEから届けた「3・11」への支援
著者:ハムダなおこ
版元:潮出版社
発行:15年12月20日 第一刷
判型:四六判 縦組 並製


装画:藤原なおこさん
書名作り文字:加藤
装幀:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色
 用紙:ライトスタッフGA-FS 四六判 Y目 110Kg
 加工:グロスニス
◎表紙
 刷り:特色(DIC195)1色
 用紙:ライトスタッフGA(N)-FS 四六判 Y目 170Kg
◎見返し
 用紙:タント 四六判 Y目 100Kg N-58
◎本扉
 刷り用紙:本文共紙共刷り


見本頂戴日:15年12月14日

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潮アジア太平洋ノンフィクション賞」の第3回大賞作品です。
本賞の第1回受賞作から装幀を担当してます。


書籍デザインをする方の中には「デザイン料を印税に」と主張する方が居ます。
僕も実際に装幀稿料が印税だった時もありますが、そんな話はいずれ別館ででも、。


著者印税は定価×発行部数の10%が相場です。
定価1400円の本なら一冊140円ですね。
140円に発行部数を掛けるワケですが、
多くの本、特に人文書やノンフィクションは
初版1000部や1500部スタートというのはザラで、
そう多く売れるものではありません。


特にノンフィクションの書き手は
自費で資料を集めて取材を重ね執筆します。
長く時間が掛かる事の方が多いです。


よくあとがきで関係者そして支えてくれた家族に
謝辞を記しているのを目にしますが
そうした支えがあって書き通せるのだと思います。


ここ数年、ノンフィクションを取り巻く状況は厳しいです。
単行本の売れ行きもそうですが、ルポなどを発表する雑誌媒体が
軒並み休刊(廃刊)となってます。


原稿を発表する媒体があれば
書き手が連載段階で原稿料を手にする事も出来
また取材費が事前に出る事もある。
単行本1冊分の原稿を書くまでに
作家を支援応援する事が出来るんですけどね。


今はなかなかそれが難しい
だから作家も育たない。


そうした状況の中で潮出版社が
「潮アジア太平洋ノンフィクション賞」を新設した。
これはノンフィクション作家にも読者にも光明である。
「よくぞ!今、ノンフィクション賞を創った」と
いち読者として感嘆していたら、その装幀の依頼を続けて頂いてる。
僕としては名誉な事と喜びしきりなのです。


書籍制作に装幀で関われる事で
毎回授賞式にお邪魔してます。
その度に受賞者から生の言葉で
執筆段階でのご苦労や熱き想いが聞けるのも
冥利に尽きるというか、有り難い限りです。


今回は担当編集のSさんから「著者からノンフィクション受賞前3作品の装幀よりも、
明るくて軽いタッチの表紙がいいとの要望がありました。テーマがイスラムなので、
日本人にある「怖い」というイメージを払拭したいとのことです。」
と方向性を頂いたので、ノンフィクションですが装画を描き下ろす事にしました。


数名の候補を挙げ、藤原なおこさんにお願いする事にしました。
藤原さんはラフ画を数案送ってきてくださり
どれも空間を感じるラフ画で、デザインのし甲斐があり
頂いたラフ画を全て装幀案に仕立てました。


どの案も捨て難く、カバー表1だけでなく
カバー表4にも描いてもらいました。
藤原さんとは初めての仕事でしたが進行し易かったです。


人物など何も描かない背景のみも塗ってもらい
僕の方でその背景と人物など合成しました。


作り文字はマルプ加藤です。
僕は自分で作り文字をすると、どうしても自分のクセとか出てしまいますんで
「こんな感じ」と加藤に作って貰ってます。


そこで客観性が保たれてるとまでは思いませんが
イメージのフィルタが1枚加わって
惹きを増すと考えてます。


3・11、アラブから支援しようと有志での「着物ショー」を企画
実現までのアレコレや日本の外から見えて来る事
そしてアラブの方々の日常など、女性著者ならではの優しい筆致で
多面的にアラブと日本の〈いま〉と〈文化〉が読めます。


ノンフィクション好きはもとより
普段はフィクションを読んでる方にも面白いですよ。
まさに「事実は小説より~」です。


*追記。
担当編集のSさんから著者のメッセージを頂いた。
「あれはすばらしくかわいい表紙で、本当に気に入っています。
ぜひそのように、装丁されたデザイナーにお伝えください。」
お気に召して頂きやれウレシ。
今回は藤原さんの絵があっての装幀です。

清水良洋

2016(平成28)年度法友会政策要網

2016(平成28)年度法友会政策要網


書名:2016(平成28)年度法友会政策要網
副題:平和主義と人権を守る司法ー市民に身近な法律支援
編著:東京弁護士会法友会
版元:現代人文社
発行:16年1月20日 第一刷
判型:A4判 横組 並製


装幀:清水


刷り・用紙:
◎表紙
 刷り:オフセット4色
 用紙:コート紙お任せ
 加工:マットPP
◎見返し
 用紙:色上質 特厚口 もえぎ


見本頂戴日:16年1月24日

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マルプでは学会などの研究年報の年刊誌表紙を
確か6~7冊ほど担当しています。


毎年色を変えるものもあれば
抽象的な図版を入れてあるので、それを変えるのもあるし
色はそのままで、文字のみを変えるものもありホント様々です。


この法友会の政策要網は確か2000(平成12年)度版から
表紙デザインを担当していたハズ(もしかしたらその前から...)。


マルプでは僕が最初のフォーマットデザインをしたものは
続刊からスタッフに任せるものが多く、
この法友会政策要網もスタッフにバトンタッチしてました。が、


副題というか、毎年の題名の文字数の長短が結構マチマチで
「大体同じ様な文字数だろう」と、
想定しフォーマットデザインを作ったもんで
途中から「フォーマットを新しくしたいなぁ~」と思っていたら
2014(平成26)年度版でその機会が訪れました。


何案か提案し、この案に決まりました。3つ玉があるのは
「司法の象徴である白・赤・ブルー(紺色)のトリコロール」を意識しました。


以後、トリコロールにこだわる事なく、毎年配色を変えてます。
普段はフォーマットが決まったのでスタッフにバトンタッチするのですが
本件はいまのところ3年、僕が続けて担当してます。


現代人文社は僕がフリーランスになった頃からのお付き合いだから
かれこれ20年以上になりますねぇ。
編集のNさんはフリーに成り立てでまだ書籍デザインの実績が少ない僕に
何冊も依頼してくれて、そして今でも依頼を頂け有り難いです。


マルプから巣立った黒瀬も現代人文社にご依頼頂いており
師弟共々に深いご縁を感じている次第です。

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