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制作メモ

デザインで工夫したところ、用紙・加工などの制作にまつわるお話です。

2016年1月の制作メモ

清水良洋

マンモスのつくりかた

書名:マンモスのつくりかた
副題:絶滅生物がクローンでよみがえる
著者:ベス・シャピロ
訳者:宇丹貴代実
版元:筑摩書房
発行:16年1月25日 第一刷
判型:四六判 縦組 上製


装画:田渕正敏さん
本文デザイン:李
装幀:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色
 用紙:OKブリザード 四六判 Y目 103kg
 加工:グロスPP
◎帯
 刷り:特色(DIC182)1色+スミ1色=2色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
 加工:グロスPP
◎表紙
 刷り:特色(DIC165)1色
 用紙:クラフトペーパーキャメル ハトロン判 T目 90Kg
◎見返し
 用紙:クラフトペーパーキャメル ハトロン判 T目 90Kg
◎本扉
 刷り用紙:本文共紙共刷り
◎ヘッドバンド
 84(伊藤信男商店)
◎しおり
 3(伊藤信男商店)


見本頂戴日:16年1月20日

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絶滅した生物たちを今日の技術でよみがえらせることは可能か?
結論から言えば、現時点では難しいにだそうです。


本書は復活出来るとしたら危険はないのか?
どんな問題が起きるのか?疑問点は、また反論は?
と、脱・絶滅研究の第一線で活躍する科学者が熱く考察します。


装幀はちょっと愉しい感じにも触れるし
ガッチリとシリアスな感じにも触れるしと
さてどうしましょうと担当編集のTさんと
落としどころを相談しながら進めて行きました。


何人かイラストレーター候補を挙げてTさんと検討し
「スケープゴーティングとか書き込むこともできますし
コンディショニング辞典的なのも面白い」という事で
装画は田渕正敏さんにお願いしました。


田渕さんにはリクエストを伝え、
ラフ画で確認し本描きをお願いしましたが
実は本描き後にも修正して頂きました。


あまりそういう事はお願いしないのですが
意図と伝え田渕さんも納得されての修正でした。
結果としブラッシュアップされてよかったです。

田渕さんからのラフ画を元にして
科学書ぽい硬質な感じから
そこから少し柔らかい印象のものなど
僕の方で方向性の違いが出る様に
装幀案を幾つか作成し最終的には物語感の出る装幀となりました。

最近の科学書などによく見られる既視感ある装幀ではなく
本書の根底にある〈科学ロマン〉を感じる
趣きのある仕上りになったと思います。


Tさんとの仕事は実に8年振りくらい。
依頼を頂けたのもウレシかったが
見本が出来し「なかなか味わいのある出来になって」と
メールを頂けウレシかったです。

宮崎萌美

慢性疼痛の認知行動療法

マルプ宮崎です。
日本医事新報社『慢性疼痛の認知行動療法』の
装幀を担当させて頂きました。
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慢性疼痛とは、明確な怪我や病気を患ってる訳ではないのに、
長期的に続く原因不明の痛みの事を言うようです。
本書はそのような症例の治療法を紹介した、診療科の方々のための入門書です。


担当編集者さんからは、
「痛みの心理」というシリアスなテーマなので、
白を活かした抑えめのデザインを、というご要望を頂きました。

暗い印象にならず、且つグラフィックとして見た目に美しく、
"痛み" を表現する事は出来ないかと考え、
思いついたのが、この波紋状に広がる波線でした。
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鋭角な波線で痛みの辛さを表し、
それをグラデーションで薄くすることで、
痛みが和らぐ様子を表現しました。
(実はこの線、ソフトの一括機能等では納得のいく形にする事が出来ず、
結局、Illustratorで一本一本描いたんです!)



グラフィックを強調するため、文字組はシンプルに。
そして刷色はパールインクの特色と、スミの2色にしました。

最初のご提案ではよりシンプルにしようと、
青緑系のパールインクを指定していたのですが、
担当編集者さんから「ちょっと弱いのでは?」とご意見を頂き、
色々再検討し、最終的には赤紫の色に決まりました。

なるほどぉ〜。
確かにこの方が全体的に引き締まった印象になるし、
より"痛み"の雰囲気も出て良いなぁ〜。
良いアドバイスを頂けて良かったです!ありがとうございます!


デザインが抑えめなため、
紙材はパール調のモノを使用。
20160129c.jpg
赤紫のカバーをめくると見える見返しのピンク色。
ここでも少し、痛みの和らぎを意識しています。


 ・ ・ ・ ・ ・

シンプルでありながら、
しっかりと存在感のある仕上がりになりました。

本書が、この本を必要としている、
多くの方の目に留まる事を心から祈っております。


___________________

書名:慢性疼痛の認知行動療法
副題:"消えない痛み"へのアプローチ
編著:伊豫雅臣
   齋藤 繁
   清水栄司
版元:日本医事新報社
発行:16年2月2日 第一刷
判型:A5判 横組 並製

装幀:宮崎

刷り・用紙:
◎カバー、帯
 刷り:特色(DIC599)1色+スミ1色=2色
 用紙:ペルーラ スノーホワイト 四六判 Y目 110Kg
 加工:グロスニス
◎表紙
 刷り:特色(DIC599)1色
 用紙:きらびき 白 四六判 Y目 SR-180
◎見返し
 用紙:ミランダ ばら 四六判 Y目 100Kg
◎本扉
 刷り:特色(DIC599)1色
 用紙:きらびき 白 四六判 Y目 SR-90

見本頂戴日:16年1月25日

清水良洋

ロケットボーイズ(上・下)

書名:草思社文庫 ロケットボーイズ(上・下)
著者:ホーマー・ヒッカム・ジュニア
訳者:武者圭子
版元:草思社
発行:16年2月8日 第一刷
判型:文庫判 縦組 並製


装画:井筒啓之さん
装幀・文庫カバーフォーマット・帯:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色
 用紙:規定用紙
 加工:グロスPP
◎帯
 刷り:特色1色(上巻DIC641)(下巻DIC(PARTⅡ)2637)+スミ1色=2色
 用紙:規定用紙


見本頂戴日:16年1月26日

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2011年11月に創刊となった〈草思社文庫〉 表紙本体は間村俊一さんが担当され 僕はカバーフォーマットを担当しました。

以来、カバーは僕が表1を担当する場合でも
僕以外の方がカバー表1を担当される場合でも
僕が袖や表4の版下を担当するので、全て僕を通して印刷入稿してます。


帯も例外が無い限り、僕以外の方がカバー表1を担当されても
帯は僕が担当してます。モチロン僕がカバー表1を担当すれば帯も僕です。


間村さんや平野甲賀さん、日下潤一さんや
平野敬子さんなどの版下が見れるので実はちとウレシヤ。


カバーフォーマットの話は長くなるのでまたいずれかにお話しますが
草思社のレガシーとして〈うさぎマーク〉を活かす事と
実用書でなく人文書、特にノンフィクションが多いラインナップを考えて
華美にならず、でも落ち着きながらもカジュアルな
カバーフォーマットを目指しました。


『ロケットボーイズ』です。
ノンフィクションですが、清々し青春物語の様な味わいのある内容です。
そうした面白さから映画化もされました。


担当編集のFさんから
「ノンフィクションではありますが
アメリカ50~60年代の青春小説的な雰囲気の装画になれば」と希望を伺い
装画を井筒啓之さんにご依頼しました。


イイ絵を使ったら、まるで自分が「デザインが上手くなった」と錯覚する
の例に漏れず井筒さんの装画のお陰で僕の腕が上がった気がします(笑)。


週報にも書きましたが、進行中に頂いたラフ画の完成度にビックリし、
丁度ワークショップがあったので井筒さんに
「ワークショップで受講生にラフ画を見せても良いでしょうか」と
お伺いしたら快諾頂き「一応このラフの工程を説明しておきます」と
返信頂き、その内容にまたビックリ!


〈ザ・プロフェショナル!〉このプロの仕事ぶりと矜持を
ワークショップの受講者に伝えた次第です。


担当編集のFさんから「2月文庫の見本が完成しました。
とりわけ『ロケットボーイズ』は出色ですね。 なかなか魅力的です!」と頂き、


井筒さんからも「いま仕事場に来たらちょうど郵便屋さんが来ました。
いい感じですね。」と頂けた。


仕事の出来映えもそうだけど、僕自身気持ちよく仕事が出来
その中で得た事をワークショップにも広げられて良かったです。

清水良洋

内川家。

書名:内川家。
著者:赤澤竜也
版元:飛鳥新社
発行:14年5月18日 第一刷
判型:四六判 縦組 並製


装画:曽根愛さん
書名作り文字:加藤
装幀:清水


刷り・用紙:
◎カバー
 刷り:オフセット4色
 用紙:ミセスBグリーン 四六判 Y目 110Kg
 加工:グロスニス
◎帯
 刷り:オフセット4色
 用紙:コート紙お任せ(白色度の高いもの希望)
 加工:グロスPP
◎表紙
 刷り:特色(DIC182)1色
 用紙:クラフトリブロライナー 四六判 Y目 240.5Kg
◎見返し
 用紙:クラフトペーパー デュプレ ハトロン判 T目 108Kg
◎別丁扉
 刷り:特色(DIC165 )1色
 用紙:クラフトペーパー(デュプレ) ハトロン判 T目 108Kg


見本頂戴日:14年5月14日

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ソフトバンクホークスの内川聖一選手の家族とのお話。なのですが
まるで物語の様な父子鷹なエピソード、奥さんとの出会いなど
もちろん選手としての活躍、そして闘病など...。
内川選手の事をよく知らない、野球に関心ないという方でも
読み始めたら面白くて止まりませんよ!


装画は曽根愛さんにお願いしました。
僕の中で曽根さんは〈青春の巨匠〉です。
曽根さんの描く若者は瑞々しく観る者を清々しい気持ちにさせます。
本書を青春のひと事に括るワケではありませんが
〈青春期の輝き〉を曽根さんに描いてもらいました。


イイ絵を使ったら、まるで自分が「デザインが上手くなった」と錯覚しますと、
エントリしましたが、曽根さんとのお仕事もまさにそれです。
過去にも一冊お願いしましたが、この時も自分で
「デザインが上手くなった」と錯覚しました。


書名の作り文字はマルプ加藤。いつも通りにイメージを伝えて
加藤のセンスを加えて仕上げてもらいました。


担当編集のHさん、面白いご依頼を有り難う御座います。

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