Malpu Design

ホーム  ›  制作メモ  ›  2011年8月の制作メモ

制作メモ

デザインで工夫したところ、用紙・加工などの制作にまつわるお話です。

2011年8月の制作メモ

星野槙子

宅老所よりあいの仕事

マルプ星野です。
「宅老所よりあいの仕事」(雲母書房)というシリーズ本の
ブックデザインを担当させていただきました。
「生老病死」をテーマに、丁寧に本作りをされている版元さんです。


看取りケアの作法
towork.jpg
生と死をつなぐケア
towork.jpg

yoriai_cover.jpg


「宅老所よりあい」は福岡県にある、
〝高齢者が通って泊まって住める場所〟です。
民家を利用し、なるべく自然であたたかな雰囲気の中で、
老いとゆっくり向き合っていく...
「看取り」も大きく大切な仕事のひとつ。


わたしの作業は、そんなよりあいでの時間の経過や生から死へのプロセスを
マークで表すことからはじめました。

yoriai_mark.jpg


今回は初めてのシリーズ本。
「宅老所よりあいの仕事」シリーズの目印、できあがり。

_______________


本文はゆったりと組むことを心がけました。
級数は13.5級とあまり大きくありませんが、よみやすく目に優しいよう
調整してあります。

_______________


そしてカバーデザイン。
今回はシリーズ本なので、
毎回1色ずつ特色を決めて展開していくフォーマットに。
印刷は、特色+Y+Kの3色です。

2冊同時に入稿だったので、
女性の著者さん(「生と死をつなぐケア」)には暖色系のオレンジ、
男性の著者さん(「看取りケアの作法」)には寒色系の水色を
それぞれチョイス。


全体は、角のとれたやわらかさ・穏やかな雰囲気を意識してデザインしました。
生成りの布地のような地模様は、毎回すこしずつ色が変わっていく設定。
すこし赤っぽかったり、スタンダードな生成りに近かったり...
微妙な変化ではありますが、いつか全巻が横1列に並んだときに、
特色だけではなく地模様もやわらかいグラデーションになればいいなと
今からたのしみにしています。


yoriai_cover_2satsu.jpg


文章のあたたかな温度が、手に取る人に伝わるような装幀でありますように。

_______________


普段荒っぽいわたしですが、
終始やわらかく丁寧なきもちで取り組むことができました。
それはひとえにこの本に関わっている人々のおかげ。
作業中に読む原稿や担当の編集Uさんとのメールのやりとりから、
この本がどんなにたいせつに・丁寧なきもちで編まれているかが
ひしひしと伝わってきたのです。


大震災がおこり、「死」というキーワードがぐっと身近なものになりました。
遅かれ早かれいつか自分自身や身の回りにおこる「老い」や「死」を
この本を入り口に考えてみるのはいかがでしょう。


(...なんて宣伝をしたくなってしまうくらい、
 密にどっぷり関わらせていただいた案件でした。
 雲母書房のUさん、どうもありがとうございました!)


大胡田友紀

星野槙子

IFRSで税理士業務はどう変わる?

ちょっと変わったにぎやかな本を担当させていただきました。


seibun_001_ifrs.jpg
「イラストと会話ですっきり理解 IFRSで税理士業務はどう変わる?」清文社
(装幀:星野槙子、本文デザイン:大胡田友紀)
towork.jpg


「IFRS」とは、国際財務報告基準のことなのだそうです。

私にはさっぱり馴染みのない難しそうな専門用語...
しかし、難しいだけではないのがこの本です!


本文中は、なんと覆面レスラーさん達の会話方式で
優しく解説してくれる仕様となっているのです!!

ificon.jpg

そんな覆面レスラーや登場人物30人近くを全て描きおろして下さったのが、
イラストレーターの中川画伯さん。


中川さんはなんといっても仕事がはやい!


「このカット、色をつけていただけませんか?」


「こんな感じですか?」


サッサッサっと、スピーディに対応して下さる中川さん。

プロレスにとても詳しく、
打合せでは、清水とプロレストークに花を咲かせておりました。
(実は、清水も大のプロレス好きなのです)

プロレスがお好きな方にとっては
クスっと笑いがこぼれてしまうようなイラストが
たくさん載っているのではないかと思います。


ifcara.jpg
ifzuhyo.jpg
if01.jpg
if00.jpg

親しみやすい、ちょっと変わった専門書となっております。
IFRSが気になる方、入門書として是非一度ご覧になってみて下さいませ。

星野槙子

乙女の古典

中学の国語の時間。
枕草子の「春はあけぼの」をそらんじる、という授業で
古典がすきになりました。
清少納言のことばえらびは目で追うのもいいけれど、
何といっても声に出した時がきれい !

_______________________


そんなわたしに、とても贅沢なテーマのお仕事をいただきました。
そのタイトルは「乙女の古典」(中経出版)。
古事記から源氏物語まで10人のヒロインをピックアップして読み解く、
〝乙女〟のための物語です。

towork.jpg


chuk_001_otome.jpg


今回は本文までオールカラー。
更に、登場する10人のヒロインはすべて、
イラストレーターの吉濱あさこさんにお願いして描き下ろしていただきました。


例えば、和泉式部日記の和泉式部。
恋多き多情の女性、というのを、いつまでも可愛らしいイメージで。


otome_naiyou.jpg


イラストの左ページには、 作品の紹介とヒロインの性格などが書かれています。


編集のNさんと
「和泉式部はきっとこんな性格ですよね!」
「モテる感じだから、髪型はゆるふわで、アップで...」などとやりとりをしつつ、
それぞれの女性のイメージを固めていきました。
全体の色味や雰囲気、女性の周りのモチーフなどは、
すべて吉濱さんにおまかせ。
わたしは描いていただいたヒロインを見るのが楽しみでたまらなくて、
いつもわくわくどきどきしながらデータを開くのでした。

_______________________


今回は春夏秋冬の4章に分かれているので、
4色の和紙を地模様にして本文を展開しました。


・春

otome_tobira_haru.jpg

otome01.jpg

・夏

otome_tobira_natsu.jpg

otome02.jpg
・秋

otome_tobira_aki.jpg

otome03.jpg

・冬

otome_tobira_fuyu.jpg

otome04.jpg


この本を手に取ってくださった何名かが、
「本文は4種類の紙を使っていて美しい仕上がりです」と
ブログに書いてくださっているのを発見。
読者の方によろこんでいただけて何よりです!


________________________


和泉式部の表情にころり、とやられてしまったわたし。

カバーに描いていただくこの本の象徴の女性も、
和泉式部のイメージですすめていただくことにしました。


〝乙女〟といえば黒髪でおかっぱ!
日本らしく華やかな色ということで、キーカラーは紅梅色。
画面をきりりと締めたくて、
黒の刷り帯に特色の金をアクセントに使っています。

otome_obi+gold.jpg


読みやすく引き込まれる内容はもちろんですが、今回はイラストも自慢の1冊。
「何歳になっても、乙女は乙女」とは編集Nさんのお言葉ですが、
全国の〝乙女〟のみなさま、ぜひぜひお手に取ってみてくださいませ!

(わたしも中学生のときに読みたかったなあ...)


ページの先頭へ戻る